我ら自炊部

調理師が教える “食にまつわる” 話

中国のレストランで鮭を食べた男性のお尻がタイヘンなことに?!

   

中国のレストランで鮭を食べた男性のお尻がタイヘンなことに?!

鮭と言えば刺し身でも調理しても美味しい魚の代表格。冬の寒い季節には石狩鍋なんか最高ですよね。そんな鮭をレストランで食べた男性のお尻がとんでもないことになるという騒ぎがありました。一体、何が起こったのでしょうか?

鮭料理で評判の店で食事した翌朝…

中国のレストランで鮭を食べた男性のお尻がタイヘンなことに?!

事件が起こったのは浙江省温州市にあるレストラン。ある男性が知人から『鮭の美味しい店』の評判を聞き、知人6人と一緒にその店に行きました。噂になっていた“鮭の鍋料理”をオーダーしてみると、身に脂が乗った濃厚な味わいで大層美味しく7人で2.5kgの鮭を完食したそうです。

美味しい鮭料理に満足した男性はごきげんなまま帰宅、就寝しました。

しかし、朝目覚めるとひどくお腹が張っていました。

耐え切れなかった男性がおならをすると、なんとお尻から油が流れ出てきました。

その後も油は止まらず、ベッドやズボンが油まみれでベタベタになるほど。翌日になっても油は止まらず、仕事にならないありさまでした。

男性はここ最近変なものを食べた記憶もなく、唯一気になったのはあの『鮭の鍋料理』でした。

そこで男性が調べてみると、とんでもないことが分かりました。どうやら男性が食べたのは鮭ではなく、バラムツという深海魚でした。

人間が消化することのできない脂を持つ魚

中国のレストランで鮭を食べた男性のお尻がタイヘンなことに?!

出典:WEB魚図鑑

バラムツは通常水深数百メートルの深海に生息していますが、夜間は浅瀬に浮上する習性があり、漁船の網や釣り針にかかることが少なくありません。

深海魚には良くあることなのですが、バラムツは体内に含まれる油脂成分が、人間の腸では消化吸収できないワックスエステル(蝋)でできています。

そのため、大量摂取すると皮膚から油が漏れてくる皮脂漏症という症状を起こしたり、吸収できなかった油がそのままお尻から流れだすということが起こります。

日本においては食品衛生法で販売禁止の指定を受けています。

しかし、バラムツの身は大変脂がのっていて味も濃厚でかなり美味のため、油漏れ対策に大人用の紙オムツを履いて自分で釣り上げたバラムツを食べてしまうという人もいると聞きます。

中国や韓国では、このバラムツを鮭や鱈と偽装して販売するケースが後をたたず、問題になっているそうです。

事実を確かめるため…

男性は店に出向いて店長に問いただしましたが店長は

出したのは確かに鮭だ

と言い張って聞く耳をもちません。散々店長ともめた挙句、男性はその店と同じチェーン系列の店が鮭と偽装してバラムツを食材に使っていたことを突き止めました。

現在は中国政府の組織が、原因究明のため調査を行っているということです。

それにしても、いきなり油が流れ出てきたら驚くでしょうね。被害者の男性が気の毒になってしまう話でした。

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