美味しい!本格そばつゆ簡単な作り方「そばつゆのかえし」とは?
2015/09/17
日本人に馴染み深い蕎麦ですが、蕎麦屋さんのそばと家庭の蕎麦とでは全く違うと言っていいほど、味に違いが出てしまいます。少しでも本格的な蕎麦を家庭で味わうために、今回は「そばつゆ」に注目してみました。
「そばつゆ」について
出典:トラストナビ
その名の通り蕎麦につけるつゆのことですが、市販されている「そばつゆ」(めんつゆなど)に物足りなさを感じる人も少なくありません。
お蕎麦屋さんの「そばつゆ」は「出汁」と「そばつゆのかえし」でできています。この「かえし」を使わない蕎麦屋さんもありますが、一般的には「かえし」が使われています。
「そばつゆのかえし」とは?
濃口醤油、砂糖、味醂から作られる「そばつゆ」のもととなるものです。
蕎麦屋さんで「出汁」と「かえし」をあわせて「そばつゆ」を作るため、素となる汁=元汁(もとじる)とも呼ばれています。また、「かえし」とは醤油を煮返すことから名付けられたものです。
蕎麦屋さんは「かえし」を作っておくことで、簡単に「そばつゆ」を作ることができますが、それだけではありません。
- 醤油の角を取って(醤油を作る時に使われた麹菌が持つ独特なクセを取る)まろやかにする
- 醤油の劣化を抑える
- 天つゆや丼物のタレなど、応用して「そばつゆ」以外にも利用できる
美味しくなり、保存が効くようになるだけでなく、他の料理にも使えるという大きなメリットがあります。
「そばつゆのかえし」には種類がある?
大きく分けると、「本返し」と「生返し」があります。
「本返し」
醤油を加熱して角を取り除きます。寝かせる期間は約1週間程です。
「生返し」
醤油を加熱せず、時間をかけて寝かせることで角を取り除きます。本返しに比べて寝かせる期間は長くなり、2~4週間以上とされています。
醤油の角を取り除き、まろやかにさせるための方法が異なります。違いは加熱するものとしないもので、寝かせる時間に差が生じます。
また、加熱した「本返し」と加熱しない「生返し」の2つを合わせた「半生返し」というものもあり、これらはお店によって使う材料や手法も様々です。
そばつゆの作り方
3つのステップで作れる簡単で本格的な「そばつゆ」の作り方をご紹介します。
① そばつゆのかえしを作る
「そばつゆのかえし」の基本的な割合は
- 濃口醤油 … 1斗(18L)
- 砂糖 … 1貫(3.75kg)
- 味醂 … 1升(1.8L)
です。家庭用には単位が大き過ぎますが、小さくすると、
濃口醤油:砂糖:味醂
1800cc:375g:180cc
900cc:187.5g:37.5g
180cc:37.5g:18cc
必要に応じて割合を変えなければ、量は自分にあったもので調節できます。
また、これは基本的な目安のため、砂糖や味醂の割合はお店によってかなり違いがあります。味の決め手になるものですから、他との違いを表現するために、自分だけのこだわった割合を見つけることも楽しみの1つです。
② 出汁を取る
出汁の取り方は『簡単でおいしい!出汁の取り方(昆布とかつおの合わせ出汁編)』にて詳しく紹介しておりますので、ご参考下さい。
蕎麦屋さんでは厚削り節などを使い、約30分ほど加熱して煮出していますが、家庭では花がつおを用いる方法で十分美味しく仕上げることができます。
また、蕎麦屋さんでは、もりそばのつゆ用とかけそばのつゆ用に分けて出汁を取っています。
③ かえしと出汁をあわせる
あわせる割合は「かえし」と「出汁」が1:3くらいとされています。更に味醂を加えることもあります。
あわせた状態で沸騰しないくらいまで加熱して、一晩寝かせます。
次の日、湯煎をして温めてから使います。
まずは基本となる割合で作ってみてから、自分の気に入った割合を探してみることも食べるだけではない、蕎麦の楽しみ方になります。