我ら自炊部

調理師が教える “食にまつわる” 話

料理上手は調味料の分量をこうして覚える(出汁の割り編)

      2015/09/17

料理上手は調味料の分量をこうして覚える(出汁の割り編)

日本料理では取った(引いた)出汁を使って様々な料理を作ります。出汁と醤油、味醂などの割合ひとつで多種多様な使い方ができますで、この『割り』は覚えておくと大変便利です。

出典:MATCHA

割りとは?

調理用語で割合の意味を指します。出汁や調味料を容量比で表し、調理するときの大体の目安となります。

例:濃口の「10・1・1」

“こいくちのじゅう・いち・いち”と読みます。

出汁10に対して、濃口醤油1味醂1の割合で合わせたもののことです。

例えば、出汁が500ccだとすると、濃口醤油が50cc味醂が50ccということになります。

例:同割(どうわり)

出汁や調味料を同じ量ずつ合わせることです。

例えば、「出汁と薄口醤油を同割」や「酢と味醂と濃口醤油を同割」といった場合は、それぞれを同じ分量ずつ混ぜ合わせるということです。

使う出汁は?

料理上手は調味料の分量をこうして覚える(出汁の割り編)

出汁にも様々な種類がありますが、ここでは最も基本となる【昆布とかつお節】を使っています。上品な上、応用の範囲も広いため、一般的でよく使われています。

出汁の取り方については『出汁の取り方』で詳しく説明していますので、ご確認下さい。

濃口醤油を使った割り

「しょうゆ」と聞いて一般的に広く使われている醤油はこの濃口醤油です。日本の醤油生産量で8割以上はこの濃口醤油ですので、普段料理にかけたり、調理に使ったりするのは最もポピュラーな濃口醤油を使っています。

天つゆ

出汁:5、濃口醤油:1、味醂:1

筑前煮、肉じゃが

出汁:8、濃口醤油:1、味醂:1、砂糖:1

魚の煮付

出汁:10、濃口醤油:1、味醂:1、砂糖:1、酒:1

関東風うどん

出汁:10、濃口醤油:1、味醂:1

薄口醤油を使った割り

関西地方を中心に広く使われているのが薄口醤油です。「うすくち」といいますが、塩分濃度は「こいくち」より高いのが特徴です。

筍の煮物

出汁:16、薄口醤油:1、味醂:1、砂糖:1

炊き込みご飯

出汁:16、薄口醤油:1、味醂:1

関西風うどん

出汁:16、薄口醤油:1、味醂:1

寄せ鍋のスープ

出汁:16、薄口醤油:1、味醂:1

茶碗蒸し

出汁:18、薄口醤油:1、味醂:1

 

今回の割りはレシピではありません。あくまでも料理をする上で『目安』となるものですので、この割りを基本にして他の調味料も加えていきます。

その日の気候や湿度、温度、食材の大きさや量によって割りだけでは補えない微妙な変化や、ひいては料理を提供する相手の体調によって味の感じ方は大きく異なりますので、そういったことも考えながら調理することが大切ですね。

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